糖尿病性包茎、糖尿病性包皮炎
糖尿病になると亀頭包皮炎を合併することが多く、包皮が割れてに亀裂が入ります。糖尿病性の包皮亀裂は、ヒリヒリした痛みを伴いますので、生活に障害をきたします。亀頭包皮炎の再発、一時改善を繰り返すために、絞扼輪の狭窄が進行し、簡単に剥けていた状態が剥けにくくなります。剥け難いために更に衛生状態が悪くなり、亀頭包皮炎を繰り返すといった悪いスパイラルに陥ります。
病院やクリニックを受診すると、多くの場合、薬や軟膏が処方されます。一時的に症状が良くなるものの、再発を繰り返す場合が多く、根治するためには包茎手術が必要になります。短期間に包皮炎を繰り返すようなケースでは、早めに包茎手術をすることをお勧めしています。糖尿病性包茎の治療は難易度の高い治療です。手術によりトラブルを避けるために、医師選びはくれぐれも慎重に行っていいただくことを、付け加えます。
糖尿病性包茎の治療
糖尿病性包茎の治療は、難易度が高く引き受けてくれる先生が少ないことが知られています。糖尿病を併発すると、傷の癒合が悪くなる、傷が化膿しやすくなるためです。そのため糖尿病性包茎、糖尿病性包皮炎の治療の第1歩は、治療を引き受けてくれる先生を探すところから始まります。
糖尿病性包茎は、包皮炎を繰り返し、絞扼輪が強くなっているために、完全に絞扼輪を取り除くことが必要です。包皮切除のデザインが上手くいかないと、包皮が余っていたり、足りなくなったりすることが起こります。経験豊富な先生にお願いすることが重要になります。
また糖尿病性包皮炎の治療後、化膿することを避けるために、同時に糖尿病のコントロールを行うことが重要になります。血糖を下げるためには、内科的治療を行うと共に、食事制限や運動療法などの自己努力も必要になります。
糖尿病性包茎
術前
術直後
50歳、独身。糖尿病性包茎、糖尿病性包皮炎、包茎手術
糖尿病のために、亀裂を生じた症例です。包皮炎の再発を繰り返し、性交渉時はもちろん、おしっこをするときもヒリヒリして痛いために日常生活に支障をきたしていたようです。包茎手術を希望して、近所のクリニックを受診したものの、手術できないと断られ、何とか包茎手術をできないかと、御相談を頂きました。包皮の絞扼部分に多数の亀裂を生じ、痛々しい状態でした。手術可能と判断し、同日包茎手術を行いました。手術後トラブルもなく痛みなく日常生活を送れるようになりました。包茎の方が糖尿病になると、包皮に炎症を起こし亀裂が入ることがあります。亀裂が入るとヒリヒリするために、痛みや沁みのために、生活に支障をきたすようです。近くのクリニックを受診しても、薬のみ渡されて、包茎手術はしてもらえないということで、どうしたら良いか御相談をいただきます。包皮炎を繰り返し痛みが強い場合は、薬や軟膏では根治は期待できません。包茎手術が選択肢となります。通院回数をできるだけ少なくするように工夫しています。
糖尿病性カントン包茎
術前
術直後
28歳、既婚。糖尿病性包茎、糖尿病性亀頭包皮炎
20歳から糖尿病の治療を行っていた症例です。以前は仮性包茎の状態で、容易に剥けていましたが、包皮に炎症をくりかえしカントン包茎の状態に進行してしまったようです。包皮がむけなくなり、痛みのために排尿や性交渉が困難となったので、包茎手術を希望して、何軒かクリニックをまわりましたが、引き受けてもらえなかったということです。そのため何とか手術してほしいと御相談頂きました。糖尿病性の亀裂を伴う絞扼輪があり、なんとか剥けるものの締め付けがきついカントン包茎の状態でした。手術可能と判断し、糖尿病性包茎に対し包茎手術と長茎手術を行いました。亀頭が露出されるようになり見た目も良く、排尿も楽になり感謝していただきました。糖尿病の方は、亀頭包皮炎を繰り返し、仮性包茎の状態が、カントン包茎や真性包茎に進行することがあります。痛みを伴い性交渉が不能になることから、包茎手術を希望されますが、手術を引き受けてもらえないことが多く、どうしたらよいか混乱されている方もいらっしゃるようです。このようなケースでは、糖尿病性包茎の治療を引き受けてくれる医師探しが重要になります。